2023年夏の甲子園大会でついに優勝を果たした慶応高校(慶應義塾高校)の野球部。
「非坊主」などで注目が集まりましたが、何より慶応という進学校で、スポーツでもここまで結果を出していることが驚きですよね。
そもそもスポーツ推薦枠があるのか、あるとしたらスポーツ推薦入学者たちの学力も高いのか、疑問に思う方も多いようです。
また、現在の野球部のメンバーが実際に推薦入学者なのかも気になります。
調査した結果、「推薦入学者の学力も高い」と結論づけましたので、その理由を詳しくご紹介します!
慶応高校の(スポーツ)推薦入学者の学力も高い!
慶応高校は言わずと知れた難関校で、偏差値は73と言われています。そこで「スポーツ推薦の人たちも一般入試で入った生徒と同様に頭が良いの?」と気になりますよね。
慶応高校には、厳密には「スポーツ推薦」という名前の特待生のような枠がある訳ではありません。
「一般」「帰国子女」入試以外に「推薦入試」という入試制度があり、入学するにはこの3種類の入試のいずれかを突破する必要があります。
そして結論から言うと、
推薦入試には一般入試のような筆記試験はないが、推薦入学者の学力も高い
と言えると考えます!
その理由は、以下の3点です。
- 中学の成績が5段階評価で38以上を満たしている必要がある
- 推薦入試で「書類審査、作文、面接」をクリアする必要がある
- 入学してからも一般入試の生徒とコース分けはなく、特別扱いは一切なし
詳しく見ていきましょう!
慶応高校の(スポーツ)推薦入学者の学力も高いと言える理由3つ!
理由①中学の成績は5段階評価で合計38以上
慶応高校のスポーツ推薦入学者の学力が高いと言える理由の1つ目は、「中学の成績が5段階評価で合計38以上を満たしている必要がある」からです。
こちらは、慶応高校の入試の募集要項に、「推薦入試」の出願資格として、
- 中学3年次の9教科の成績合計が5段階評価で38以上である者
- 中学校時代に、運動・文化芸術活動などにおいて、相応の成果を上げた者
との記載があります。
つまり9教科の成績がすべて4以上で、5が最低二つは必要、ということね!
中学時代にスポーツや芸術分野で素晴らしい成果を上げていても、ある程度勉強も頑張っていないと、慶応高校への出願資格すらないことになります。
ちなみに推薦入学者は毎年全体で40人、うち野球選手は10人程度だそうです。
理由②「書類審査、作文、面接」をクリアする必要がある
慶応高校のスポーツ推薦入学者の学力が高いと言える理由の2つ目は、「推薦入試で書類審査、作文、面接をクリアする必要がある」からです。
推薦入試の入試内容は、募集要項によると、
第1次選考(書類審査)
第2次選考(面接・作文)
とあります。
一般入試・帰国子女入試の場合のような筆記試験はないということになりますが、この書類審査・面接・作文というのも大変なようなんです。
以下、「高校推薦入試・小論文対策の塾 洋々」HPより引用させていただきます。
出願書類
「志望理由」欄に慶應義塾高校を志望する理由と入学後に取り組みたい内容について記述(400字〜450字)。面接でも突っ込んで聞かれるためしっかりと内容を固めておく必要がある。
その他、「保護者による志願者紹介文(400字以内)」「志願者をよく知る方による志願者紹介文(400字以内)」も重要。
作文
試験時間は30分間で、設問について400字以内で自らの意見を論述する。
「あなたが考えるリーダーについて」など、志願者の物事に対する姿勢や考え方を問う内容の問題が多く、自らの考えを文章で表現する力が重要。
面接
個人面接の時間は15分程度で、受験生1名:面接官2名で行われる。面接では志望理由や中学時代に取り組んできた活動の詳細、慶應義塾高校において取り組みたいことなどについてなど踏み込んだ質問がされる。
※これ以外に以前は「集団討論」という選考もあったようです
どうでしょうか、付け焼き刃でなんとかなる試験ではなさそうですよね!
中学時代にどんなことを頑張っていて、自分は慶應高校でどのように頑張りたいか・・まるで就職活動のよう。
まとめると、
- スポーツや芸術で相応の(全国大会出場などの)成果を出し、
- 内申点も4か5、というだけでなく、
- きちんと志望理由を持っていて、自分の考えを文章や言葉で伝えることができる
という生徒が、推薦入試を通過することができるようです。
自分の意見や考えを論理的に伝えられる子ってことだから、ある意味すごく優秀なはず!
慶応高校野球部のメンバーのインタビューなどを見ると、質問に対してきちんと求められている答えを返している選手が多いように感じますが、この選考をくぐり抜けてきているのなら納得ですね!
理由③入学してからも特別扱いは一切なし
慶応高校のスポーツ推薦入学者の学力が高いと言える理由の3つ目は、「入学してからも一般入試の生徒とコース分けはなく、特別扱いは一切なし」だからです。
一般入試の生徒は超難関の筆記試験をくぐり抜けてくる猛者たちなので、それと比べたら、推薦入学は内申点が4か5の「ちょっと頭のいい子」でも入れそう、と思うかもしれません。
しかし、入ってからの特別扱いは一切なく、一般入試の生徒とクラスも授業も同じだそうで、全体評価がボーダーラインより下だったらあっさり留年が決まるそうです。
他校だと赤点でも補習を受けさせたりして仮進級させますが、うちは手厚いサポートはない。
なので、全体評価がボーダーラインより下だったら“点が足りないからもう1年頑張りなさい”と、あっさり留年が決まります。毎年1クラスに1人くらいは留年する生徒が出ているんですね
出典:Number Web
このような厳しい環境で、一般入試枠で入ってきた生徒たちと肩を並べていかないといけないとなると、やはり推薦入学者も、ある程度元の学力が高い子たち、ということになると考えられます。
現野球部のメンバーはスポーツ推薦枠が2〜3割
以上は「推薦入学者」という視点から見てきましたが、実は、慶応高校野球部には「推薦」入学者以外にも、「一般」入試を通じて入った生徒や、中学から上がってくる「内部進学」組もいます。
野球部のメンバーの入試方法別の内訳を見ると、
- 一般:3割程度
- 推薦:2〜3割程度
- 内部進学:4割程度
となっているそうです。
推薦が2〜3割とは意外!それ以外の子も結構いるのね。
ただし当然、レギュラーになるのは推薦枠で入った生徒が大半だと言います。ただ、一般入試や内部進学でレギュラーになる子もいるそうです。
当然ながら、中学時代に全国大会に出たなどハードルを越えてきた推薦枠の選手が、レギュラーになる確率は高いです。ただ、一般入試や内部進学でレギュラーになる子もいます。
引用: NumberWeb
甲子園ベンチ入り20名のうち推薦:16名、内部進学:3名、一般:1名
そこで気になるのは、2023年夏の甲子園大会で出場している選手たちは、どうやって入ったのかですよね。
そこでベンチ入りメンバー全20名の出身校を見てみると、「内部進学」組は以下の3名でした。
- 5番の福井直睦選手(慶應義塾普通部、世田谷西シニア出身)
- 15番の清原勝児選手(慶應義塾普通部、世田谷西シニア出身)
- 19番の飯田康太郎選手(慶應義塾中等部、中学軟式野球部出身)
慶應高校野球部の赤松部長によると、今回の甲子園メンバーの背番号1〜9番の選手のうち8人がこの「推薦入学」組だそうです。(残る1名は上記5番の福井選手)
野球部の赤松衡樹(ひろき)部長(47)によると、1学年で10人弱が推薦枠で入学。今回の甲子園出場メンバーの背番号1~9番までのうち8人がこの推薦枠だが、一般入試を経て入部する部員も1学年10人ほどいる。
引用:Yahooニュース(産経新聞)
ただし、「一般入試でもレギュラーになる選手はいる。どのルートで入ってきても、同じ扱いをしている」とのことだそうです。
ちなみに、イケメンで話題になった丸田湊斗選手は中学時代の成績がオール5だったそうですよ。
詳しくはこちらをご覧ください。
丸田選手のご家族についてはこちらです。
やはり慶応高校野球部のメンバーは、間違いなく「文武両道」の精鋭たちと言えるのではないでしょうか。
<8月27日追記>背番号14の宮尾青波(せいは)選手は、今大会のベンチ入りメンバー20人の中で唯一の「一般入試」組だそうです。決勝戦の9回に清原勝児選手の代走で出場していた選手です。
小学校6年生の頃にはベイスターズジュニアにも選ばれた実力の持ち主ですが、中学3年の8月にシニアの大会が終わると、2月の受験に向けて猛勉強し、一般入試で合格したそうですよ!
推薦・一般・内部進学といったコースに関わらず、やはり何事にも本気で、全力で頑張る彼らだからこそ、優勝を成し遂げられたのでしょうね!
慶応高校のスポーツ推薦入学者の学力も高い!まとめ
以上、「慶応高校のスポーツ推薦入学者の学力も高い!理由3つ!」をお送りしました。
調査の結果、「推薦入学者の学力も高い」との結論であり、その理由は以下の3つです。
- 中学の成績が5段階評価で38以上を満たしている必要がある
- 推薦入試で「書類審査、作文、面接」をクリアする必要がある
- 入学してからも一般入試の生徒とコース分けはなく、特別扱いは一切なし
また、現野球部のメンバーは推薦入学者の割合が2−3割で、それ以外に一般・内部進学組が約7割もいることもわかりました。
甲子園に出ているメンバーはほぼ推薦入学者ですが、内部進学組も3名、一般入試組も1名いました。
やはり慶応高校野球部のメンバーは、間違いなく「文武両道」と言えることがわかりましたね。
何事にも本気で、全力で頑張る彼らだからこそ、優勝を成し遂げられたのでしょう。優勝おめでとうございます!