パープルムーン(紫の満月)とはデマ!実際には存在しない現象

TikTokで、「12月14日の夜にパープルムーンという紫の満月が見える」という情報が広まっているようです。

しかし調査したところ、「12月14日に見える」という点だけでなく、パープルムーンというもの自体がデマで、実際には存在しない現象であることがわかりました。

今回はパープルムーン(紫の満月)がデマである理由を詳しくご紹介します。

目次

TikTokで、「12月14日にパープルムーンという紫の満月が見える」という情報が注目を集めていますが、これはデマです。

TikTokで、「12月14日にパープルムーンが見える」という動画がバズり、しかも「1000年に一度」「12月14日の深夜」「午後9時半から30分間限定」などのもっともらしい情報がたくさん上げられています。

TikTokより

おそらくTikTokで誰かが最初にネタとして上げたものがバズり、真似して同じ内容を投稿する人が増えたのだと思われます。

ではなぜパープルムーンがデマなのか、詳しくご説明します。

TikTokより

「12月14日にパープルムーンが見える」というのがデマである理由はこちら。

  • 12月14日は新月(月が完全に見えない日)の次の日で、月自体がほぼ見えない
  • そもそも「パープルムーン」という現象自体が存在しない

詳しく見ていきましょう。

12月14日は新月の次の日で、月自体がほぼ見えない

満月カレンダー

「パープルムーンが12月14日に見える」がデマの理由一つ目は、「12月14日は新月の次の日で月自体がほぼ見えない」からです。

月には満ち欠けがありますが、上の図のカレンダーの通り、12月は完全に見えない「新月」となるのが12月13日ですね。

つまり12月14日はその次の日で、月はほんのわずか、淵の部分が少し顔を出す程度ということになります。

紫の満月どころか、そもそも満月でもないってこと…

そもそも「パープルムーン」という現象自体が存在しない

TikTokより

「パープルムーンが12月14日に見える」がデマの理由二つ目は、「パープルムーン」というもの自体が存在しないからです。

TikTokでは「1000年に一度らしい!」といった情報が広まっているようですが、実際にはそのような公式情報はどこにもありませんでした

「パープルムーン」というものはありませんが、実在する「珍しい月」としては以下のようなものがあります。

  • スーパームーン:月が地球に接近することで、通常よりも大きく、かつ明るく見える満月のこと
  • マイクロムーン:通常よりも小さく見える満月のこと
  • ブルームーン:ひと月に2回新月が現れること。直訳すれば「青い月」だが色を意味するわけではない
  • ブラッドムーン:皆既月食のときに見られる赤黒い満月のこと

このうち「ブルームーン」というのは実際は色が青く見えるものではなく、「ひと月に2回」の意味の「ダブルムーン」が「ブルームーン」になったという説もあるそう。

ブラッドムーンは、実際に血のように赤黒く見える満月です。

他にもアメリカの先住民族であるネイティブアメリカンが、季節を把握するために、毎月現れる満月に異なる名前をつけていたそうです。

  • 1月:ウルフムーン
  • 2月:スノームーン
  • 3月:ワームムーン
  • 4月:ピンクムーン
  • 5月:フラワームーン
  • 6月:ストロベリームーン
  • 7月:バックムーン
  • 8月:スタージェンムーン
  • 9月:ハーベストムーン
  • 10月:ハンターズムーン
  • 11月:ビーバームーン
  • 12月:コールドムーン

「ピンクムーン」はシバザクラなどがピンク色の花を咲かせることに由来しており、実際に色がピンクになる訳ではないそうです。

このように「色」をイメージさせる月の呼び方はいくつかあるものの、「パープルムーン」という言葉はどこにも存在しません。

ブルームーンという言葉は実際にあることから、なんとなくTikTokの情報を信じてしまう人もいたかもしれませんね。

以上、「パープルムーン(紫の満月)が12月14日に見える」というTikTokでの話題がデマである理由をお送りしました。

  • 12月14日は新月(月が完全に見えない日)の次の日で、月自体がほぼ見えない
  • そもそも「パープルムーン」という現象自体が存在しない

ということから、

12月14日に限らず、紫の満月が見えること自体有りえない

ということになります。

パープルムーンは存在しませんが、たまには違う日に月を眺めてみるのもいいかもしれませんね。

目次