故ジャニー喜多川氏の性加害問題で、2023年9月7日に行われたジャニーズ事務所の会見後も世間がざわついています。
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」にも注目が集まっていますが、代表の平本淳也氏について、自身の被害内容についての証言が途中で変わっているとの疑惑が持たれているようです。
そこで平本淳也氏がBBCのインタビューで、自身の被害内容をどう語っていたのか、なぜそのように語っていたのか、ポイントをまとめました。
平本淳也の被害内容についての証言が変わっているとの疑惑
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」について、世間では過去の発言やスタンスに矛盾があるなど厳しい声も多く出ているようです。
特に代表・平本淳也氏については、自身の性被害が「なかった」と言っていたのに「あった」に証言が変わっているとの疑惑が持たれているようです。
そこでBBCのインタビュー動画を見た結果、結論から言うと、
たしかに平本淳也氏は自身の被害内容について、BBCのインタビューでは自分は「被害にも何も遭ってない」と発言していた
ことがわかりました。
しかしそれは、「被害がなかった」=本当に「何もされていない」ということではなく、
平本淳也氏も「体を撫で回されるいじられる」という被害を受けていたが、それ以上の性的な被害には遭っていない
という意味だったと考えられます。
なぜそう考えられるのか、BBCのインタビューでの発言を詳しく見ていきましょう。
平本淳也の被害内容は?BBCインタビュー動画と書き起こし
こちらが平本淳也氏のBBCインタビュー動画です。動画の31分00秒ごろから始まります。
以下、インタビュー内容を書き起こしました。(見出しは筆者作成)
ジャニー氏の自宅が「合宿所」
取材者:淳也さんは1980年13歳の時に入所しました。デビューはしませんでしたが6年にわたりJr.でした。
ジャニー喜多川氏についてどういう印象でした?スターを作り出した力はどういうものでしたか?
平本氏:ジャニーさんの仕事はタレントを発掘、育てる。これがメインの仕事なんで、必ずジャニーさんレッスンしてる時に必ず来ます。リハーサルやイベントの本番必ず来ます。
取材者;リハーサルとかそういうのに来るのは仕事の一部でしょうけど、皆さんのいわゆる職場に来る以上のことはあったんですか?
平本氏:たとえばみんなでご飯に行こう映画を見に行こうドライブしよう、少なくはなかったですね。
取材者:彼の自宅はどうです?自宅に招かれたことは?
平本氏:もちろん自宅が・・すぐそこです。この5階が「合宿所」として使われてました。懐かしいです。
ジャニー氏の性癖と平本氏の被害内容
取材者:話しても大丈夫なことだけ話してください。
平本氏:ジャニーさんはそういういわゆるひとつの癖をもった方であることは確かです。それに対して・・子供たちに対して必要以上の可愛がり方をしたのも確かです。
取材者:それは何を意味しているんですか。
平本氏:やっぱり体をなでまわされるいじられる、いわゆる男の子の大事なところをぐりぐりされるみたいなね。
取材者:当時・・他の少年たちの間でこれは根本的に間違っていることだとそういう理解はありましたか?
平本氏:基本的には小中学生で未経験の子たちが多かったっていう。「初体験はジャニーさんだった」っていう今でも笑い話で言うくらいで。
取材者:ではそれはあなた自身のこととしては一線を超えた行為だったとは思っていないですか?
平本氏:僕そこまでやられてないんで。だから被害にも何も遭ってない。ただマッサージしてもらったレベルのほんの少しの延長。ほんとにファミリーな。
親たちは「周知の事実」
取材者:振り返って男の子たちの親で何が起きているか気づいている人はいたと思いますか?
平本氏:もちろん全然親は知ってる事実ですから。けどジャニーズ事務所に入れたい。
親は「ジャニーさんにお尻くらい提供しなさい(パシーン)」みたいな。周知の事実なんですよ。ジャニーさんがホモセクシュアルだ少年愛だ、知ってるんですけどそれを「ノー」としない。
ジャニー氏の行為は「一線を越えている」か
取材者:それが一線を越えているのはわかりますか。実際に犯罪行為の領域に。
平本氏:本当にジャニーさんが犯罪者であり、あるいは犯罪的な行為を行っていたと言ったら、当然その支援も受けられなかったと思うし受け入れられなかっただろうし。
それを受け入れたのはこの日本なんですよ。トップ企業にのし上げたのはこの日本なんですよ。日本そのものだと思います。
インタビュー終了後の取材者の感想
取材者:虐待はなかったと淳也さんは思っています。それを聞いて彼に対して腹を立てるのは本当に簡単なことなんですけど、でもそれはフェアじゃないと思うんです。
というのも究極的には何があったのか彼はまだ整理して受け止めることができず、まだ加害者を尊敬しているんです。
平本淳也の被害内容とそれに対する認識は?BBCインタビューからわかること
以上のBBCインタビューのポイントをまとめると以下の通りです。
- ジャニー氏の性癖について「体をなでまわされるいじられる、いわゆる男の子の大事なところをぐりぐりされるみたいなね」と言い笑顔を見せている
- 根本的に間違っていることだいう理解があったかー「今でも笑い話でいうくらいで」と発言
- 一線を超えた行為かー「僕そこまでやられてないんで。だから被害にも何も遭ってない。ただマッサージしてもらったレベルのほんの少しの延長。ほんとにファミリーな」と発言
- それが一線を越えた犯罪行為だとわかるかー「それを受け入れたのは日本そのものだ」と発言
平本淳也は「体を撫で回される」被害にはあっていた
これを見ると、冒頭に結論付けた通り、
平本淳也氏は自身の被害内容について、たしかに「被害にも何も遭ってない」と発言
していました。しかしそれは、
- 平本淳也氏もジャニー氏から「体をなで回される・大事なところをいじられる」という被害を受けていた
- ただ自分は「それ以上の性的な被害には遭っていない」という意味
だと考えられます。
なぜ「被害にあってない」発言をしたのか
最初の「一線を超えた行為だったと思っていないか」という質問では、「一線を越える」の意味をもっと本格的な性行為という意味と勘違いして、「そこまでやられてない」「被害にあってない」という発言になったのではないかと思います。
(追記)実際にYouTube 「たかまつななチャンネル」では、「いわゆる”最後まで”という経験がないのですよ」と語っていました。
さらにBBCインタビューでは、
- 被害内容について語る時に笑顔を見せていること
- また今でも仲間との間では「初体験がジャニー氏だった」と笑い話になっていると発言していること
- 「ファミリー」との発言
などが、このインタビューを受ける時点でのジャニー氏に対する思いを表しているように感じます。
SNSでは、平本淳也氏がジャニー氏の葬儀で笑顔を見せていた・トークライブをしていたといった過去の事実が話題になっていますが、これも、ジャニー氏に対してファミリーのような思いがあったと考えれば辻褄が合うように感じます。
(9月13日追記)実際に、6月に受けたインタビューの中で平本氏は、まだ「被害者」という言葉に違和感があると語っています。
報道ではジャニーさんの“被害者”という言葉が使われていますよね。でも僕としては違和感がある表現です
引用:週刊女性PRIME
その理由は、「ジャニー氏は決して押さえつけるなど、行為を強要していた訳ではない」ため、「行くか行かないかの選択権は自分たち側にあった」からだそうです。
そして「されたことを黙っていれば、みんなにちやほやされて、売れれば何不自由なく暮らしていけるだけの道が開く」状況だったとも語っています。
しかしジャニー氏のしていたことは「社会的に認められることではないのは当たり前」だといい、「精神的な"傷”を受けた側としては、許せない気持ちも多く持っていることは確か」だそうです。
合意のない性的な行為は相手に不快感を与えることに間違いはなく、精神的な“傷”をも負ってしまうことになります。そういった“傷”を受けた側としては許せない気持ちも多く持っていることは確か
引用:週刊女性PRIME
BBCのインタビューでは、記者は「虐待はなかったと淳也さんは思っている」「まだ加害者を尊敬している」と結んでいましたが、
平本氏は「ファミリー」や「被害者という言葉に違和感がある」という一方で「許せない気持ちもある」とも語っており、それが世間から見ると「矛盾」に見えてしまうということなのかもしれません。